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弓道の男女の違いをおさらい

弓道の男女の違いをおさらい

弓道着は男女で異なる?それぞれの着方のポイントとは

弓道着には、実は男性用と女性用があります。どちらの弓道着も一見同じに見えますが、細かな点が男女で異なるのです。また、着方にも少し違いがあります。今回は、弓道着における男性用・女性用の違いや着用方法などについてご紹介します。

弓道着の男性用・女性用とは?

弓道着の男女の違い

各性別用の弓道着の違いは、以下の通りです。

・男性用…上衣の脇が開いている。袴には腰板がついている。
・女性用…上衣の脇が閉じている。袴には腰板がついていない。

女性用上衣は、男性用に比べ身幅・袖口が少し小さくつくられています。ただし、必ずしもその性別用の道着を着ないといけないというわけではありません。男性でも脇の閉じている道着を着用する人がいますし、女性が男性用を着てもいいのです。

和服における男性・女性の違い

主に稽古時に着用する道着だけでなく、審査の場などで着用する必要のある和服にも、男性・女性の違いがあります。

・男性用和服…上は黒の紋付(長着)、袴は黒か縞袴。行射の際は左肩を抜く。
・女性用和服…上は黒の紋付(長儀)、袴は紺か黒。行射時は襷がけをする。

男女共に共通するのは、原則として色柄のない無地のものを選ぶということです。審査会は公式の場であり、品位ある服装が求められます。参段までの人は普段着用している道着と袴で構いませんが、四段からは和服を着用する人が多くなります。五段以上は和服着用が必須です。

性別ごとの道着の着用方法は?

弓道着は男性用・女性用でつくりが異なるように、着用の仕方にも少し違いがあります。上衣は普通に着用すれば大丈夫ですが、袴は男女で着方が異なるので注意が必要です。詳細な着方は身近な熟練者や指導者に教えてもらうとわかりやすいでしょう。道着はきちんと着ることで、行射の美しさを引き立ててくれます。弓道初心者の方は、ぜひ早いうちから正しい着方を身に付けるようにしましょう。

弓道着の着用方法の基本

弓道着は、①足袋、②上衣、③帯、④袴という順序で着用します。足袋、上衣は特に男女で着用の仕方に違いはありません。着崩れしないようにと上衣の紐をきつく締めたくなりますが、ゆとりを持たせて結ぶようにします。必要以上にきつく結んでしまうと、体を動かすときや着付けの仕上がりに引っかかりなどが生じることがあるからです。

帯の結び方

上衣の次に着用する帯の結び方は、男女ともに同じです。結び方はさまざまあり、特に規定はありません。好きな結び方でしっかりと結べば大丈夫です。

男性の袴の着用方法

男性は袴を着用するとき、へそのやや下あたりに袴の上端が来るようにします。袴の前紐は腰の後ろ側と前身頃でクロスさせ、土台である帯をさらにがっしりと固定させるイメージです。袴紐は下腹のあたりで締めることで、着崩れしにくく仕上がります。

女性の袴の着用方法

女性は袴を着用するとき、前紐をクロスさせずに腰の後ろ側と前身頃で重ねるようにします。その後、着崩れしないよう腰の後ろ側できつく結びます。男性の着方と異なり、下腹をきつく締めることはしません。

弓道着の移り変わり

そもそも弓は狩りや戦で使われる武器として、長く人間の身近なところにありました。その後、弓術は武道として成立し、技術や礼儀作法を学ぶものとなったのです。そんな弓道を道着という面から見ると、やはり和服がもともとの弓道着だといえるでしょう。洋服が一般的になった今日では弓道と和服の関係もかなり変化し、普段着で弓道を行うこともできるようになっています。時代の移り変わりと共に見ると、弓道着の変遷は以下のようにまとめられます。

1:弓道のおおもとである弓術が発達した時代(14世紀~)

人々の装いも和服なので、弓を引く射手も当然和服です。

2:弓の目的が心身鍛錬へと変化する時代(16世紀末~)

「通し矢」が盛んになり、競技としての弓が拡大していきます。服装は和服です。通し矢では速射となるため、右手を弦から保護する「かけ(ゆがけ)」の堅帽子に工夫が凝らされました。現在の堅帽子の原型ができた時代です。

3:弓道が確立した時代(江戸時代~)

鉄砲が広く普及する中、弓道は古武道を重視する武士から強く支持されていました。この頃も和装での弓道が一般的だったと考えられます。

4:弓道が学校教育に取り入れられる時代(明治以降)

明治時代には本多流が創始され、弓道は一般市民にも広く普及しました。大正~昭和初期には、中学校以上の学校で正課やクラブに弓道が採用されたのです。人々の服装は洋服が一般化した時代ですから、稽古着としての弓道着が広く普及しています。

5:現在の弓道

和服や道着といった考え方にとらわれず、自由なかたちで弓道を体験できる時代となりました。現在では、弓道場や指導者の方針によっては、普段着でも稽古を続けることができます。和服、道着、普段着のどれでも、弓道ができる新しい時代となっているのです。

まとめ

弓道着は、日本人の正装である和服から簡易的な練習着として生じた着物です。動きやすさと着物の品位を兼ね備えた弓道着は、着るだけで気持ちが引き締まります。普段着とは異なる服装になることで、日常生活のしがらみを一旦弓道場の外に置き、シンプルに弓に向かい合うことができるようになるのです。

現在の弓道着は、男性用・女性用があり着用方法に違いがあるなど、初心者にとって難しく見えるかもしれません。しかし、何度か着用するうちにコツが掴めるようになるので、積極的に弓道着を着てみることをおすすめします。慣れればむしろ動きやすく感じるほどです。季節によっては、インナーを重ね着することもできます。また、帯の色や結び方、袴紐の結び方などで遊び心を出すことも可能です。最初のうちは基本に忠実な着用をおすすめしますが、慣れてきたら自分流の着用方法を探してみてはいかがでしょうか?

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